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パラレル

答えあわせは、要りますか?

 ←わたしの枕は、よい枕。 →Heute Abend...zum Anfangen Sonntag(今夜、、日曜日の始まりに、)
   





全校生徒の前で、例の 暗黙裏にある慣習について言及されるのは 前代未聞のことだった。



全校集会で代表生のチェ・シウォンは
生徒会長と当校始まって以来の秀才 という権限により
その 悩ましい伝統をすぐさま廃止し、その後は生徒会の責任のもとに風紀委員が管理を、という英断を為した。



新学期のある朝のこと
聴衆の反応は様々で


強制的な終わりに嘆く生徒たち。
拍手喝采の人たち。
すっかり 置いてきぼりの最下級生と、

同校卒業生の若い教師らは、自身の青春時代を振り返りながら 苦笑して、




生徒会長は
いつも通りの冷静な表情で壇上を去った。













それ、について言うならば
『かわいそうな イ・ソンミン』について話さなければいけない。



イ・ソンミンは

とても 可愛らしく、
くりり、とした眼とぷくぷくとよく動く頬っぺたが印象的な少年だった。

何をするにも平均点以上をこなせる優秀さながら 努力を欠かさない真面目な学生で
誰にでも親切、 求めれば最後まで味方をしてくれる強情さと 人を和ませる愛嬌から

きっと 彼を悪く言う人間はいないんじゃないかというくらい 愛らしい子だった。



とりわけ彼を可愛がっていたのは
当時の生徒会長、一年上級の チョン・ユノだ。
彼こそ文武両道にして眉目秀麗
まさに完璧、と呼んでよい人物だった。
入学以来、素晴らしいリーダーシップを発揮して生徒会幹部と監督生を兼任し、先生方からも一目置かれる優等生で、

全生徒の憧れの的 


という 彼の周りにはいつも人の輪ができていた。しかし それを鼻にかけることはなく、その気さくさと 人懐こい笑顔が魅力的な青年だった。



そしてその人気者を独占できるひとが、イ・ソンミン。


二人はいつでも必ず一緒で

ユノはソンミンの勉強を見てやったり、心配事のないようにいつでも世話を焼き
ソンミンは生徒会や監督生の仕事をよく助けて
疲れてしまわないよう、力になった。


ユノが長い足で颯爽と校内を歩くとき
小柄なソンミンは ちょこちょこと追いかける。同級生から挨拶を受けるのを一人一人丁寧に返しているのを ユノは少し離れて待っていて
長くなりそうな頃に
「ソンミナ。」
と優しく呼ぶと 本人は ふんわり笑って
飛び込むように、駆けつけるのが可愛いかった。



ソンミンのブレザーの胸ポケットには
自分の学年と もうひとつ、異なる色のチーフが覗いていた。
前の年に、ソンミンが次の監督生に薦められた記念に贈られたもので、ユノのイニシャルが刺繍してある。

それがつまり ソンミンはユノのもの、ということで
これで 誰も二人の間に割って入ることはできない。実際、ソンミンを守るユノと
ユノを癒すソンミンは 騎士とお姫様みたいで
誰も邪魔する気になんてならなかった。



この古めかしい高校の
同じく古くからの慣わしでは、
上級生から下級生に 自分のポケットチーフを贈られる。
それによって兄弟契約が結ばれて
どんな時にも 兄は弟を手厚く面倒を見てあげ、弟は兄を手伝う約束が決まる。

自立と協調を重んじる校風の
生徒同士で支え助け合う精神を培う風習から
いつか
お気に入りの後輩を確かに つかまえてしまうため
慕う先輩に 誠実な気持ちをあらわすため

の、約束事になっていた。




国内有数の名門男子校、しかも 全寮制の。
厳しく、塞がれた環境で
お互いがお互いを認め合い 支え合うことこそ 情操の育成には何よりも効く、だろう。自主性を、と嘯く教師たちは生暖かい目で眺めていた。




ところで その年、またも話題に事欠かない2人組が入学してきた。


一人は大病院の御曹司という 家柄にも容姿にも申し分無い、シム・チャンミンで
もう一人はチョ・ギュヒョンという数学の成績で国内一位を誇る天才だった。


特別に目立つ彼らはすぐに人気者になったようだけれど、特定の“兄たち”はまだいなかった。

優秀な二人はすぐに教師たちの口利きで生徒会に出入りするように。
当校では 生徒会執行部が最上流階級と呼ばれていて、

副会長で、多重契約の為に 購買部からチーフを品切れにさせたキム・ヒチョルや その実弟の、会計で演劇部の花形、キボムなど
品行方正(一部例外)、容姿端麗な面々が
生徒たちの鑑となるべく名を連ねていた。
彼らに関わることが最上のステイタスだったのだから
会長に見初められた書記、などは破格の存在で
ユノとソンミンは学内のベストカップルとして君臨する訳だった。



ここで彼らは
ユノのもと執行部の仕事を覚えて
ソンミンらの務めを手伝った。
生意気だけれど素直な後輩たちをどちらも大変可愛がって
四人は常に一緒にいるようになった。
どこにいても目立つ集団で
周りはどうにかして お知り合いになれないものか、と考えを巡らせるんだった。



チャンミンというのはユノの幼なじみで
ユノへの憧れと言ったら、家を出た彼を追って 国内有数の名門校へ軽々と入学してしまう筋金入りだった。


教師も怯むほど 強気に振る舞って その長い体躯で見下ろすようにすることが常であるチャンミンが
ユノだけには子供っぽい態度を見せることで、どれだけ懐いていたのかがわかる。


積極的なチャンミンを相棒は苦笑いで見ていた。
ヤキモチを妬くソンミンが気の毒で止めてやりたかったけれど、膨らむ頬っぺたや尖らす唇があまりに可愛かったので

少し 喜んで眺めていたくらいだ。


そして ユノがよそ見をするはずもないくらい弟に熱心であったのは周知のことであったので、

周りの生徒たちも微笑ましく見守っていた。
強気な彼については
再会の日に、憧れの君に寄り添う 小っこいの、とか
そいつの胸にいる赤いチーフとかを見つけたときは

どういう気持ちだったかは知らないが。





日が過ぎて
やがて、文化祭が近づいてきた。秋の、学園生活いちばんのイベントは

契約された兄弟たちにも特別な日だった。その年の後夜祭には、ダンスパーティが催されて
陰では、つまり そういうつもりの彼らの間では
誰が誰を誘うか、独りはご勘弁、、という話題で持ちきりだった。
件の兄弟は ちょうど“カップル”でダンスを披露することが決まっていたので そんな心配は全く無用だったけれど。



当日
宴たけなわに、
会場に現れた二人に、皆溜め息を吐いた。

ユノのチャーミング王子のようなスマートな姿もさることながら、ソンミンときたら、
もちろん健全な生徒たちと大人たちへの配慮のために、かろうじて男の子の姿をしてはいたけれど
真っ白くきらきらした衣裳は
まるで本物の妖精のように可憐で
生徒たちは誰も 性別というものの存在意義を完全に疑ってしまっていた。


踊り終えた後の 拍手喝采に
まるで二人の仲を祝福されたみたいだと思ったソンミンは 思わず涙ぐんでしまって
抱き締めたユノは 人目憚らず
遂に 額に口づけをしたんだった!


パーティは大成功
契約済みの兄弟たちはお互いの気持ちを確かめあって
さらには 学年ごと3色のチーフが往き来する光景が あちこちで見られた。

盛り上がる会場の隅で
タキシードをクールに決めて、きらびやかな仮面を端正な顔に当てた二人は
いくつもの誘い文句を断りながら

甘くて深い夜の計画を話していた。





ユノを級友たちに連れて行かれて
ソンミンはその時
親友に酷く心配されていた。
色のついた飲み物をもう何杯も
空けていたから。

グラスを奪われて、上目遣いに見るも
お得意の愛嬌は
このシン・ドンヒだけには通用しない。
取り上げたグラスを嗅ぐと、鼻の上に皺を寄せて
STOPサインを出していた。

ソンミンだって昂揚する訳だ。
毎年、文化祭の日に関しては
この規律堅い寄宿生活にも甘い計らいを受けて
就寝時間という壁は取り払われ、
学年問わず寮間を往き来することが許されるからで

この夜、遂に
ユノがソンミンをどこかに拐ってしまうんじゃないかって
皆が噂をしているところだったから。



ふわふわ揺れるソンミンの耳もとに
可愛がっている後輩の一人から
伝言が吹き込まれると

くるりと丸い目が見上げて
その後輩は たっぷりとした笑顔で頷いた。


せいとかいしつ?


舌足らずに繰り返して
出口に向かおうとしたとき


もうすでに覚束無い歩みを
親友が支えてやろうとすると、そこへ
後輩のすらりとした体が割り込んだ。

しっ、と厭らしい顔でウインクをするのに
ドンヒは吐き気を催して


下級生にエスコートされるように会場を後にするソンミンの
頬に桃色が差して、うなじにうっすらと汗をかいているのが色っぽいと

傍にいた幾らかの生徒達は気付いていた。




生徒会室には 一般の生徒はやってこない。
もうほとんど会長であるユノの自由になっていて、
彼が一つ言えば誰も邪魔するはずはないし、
窓から見える裏庭は、幹部以外は知らないけれど 庭じゅうの樹がライトアップされていて、夜になると とびきりロマンチックなのだ。
そして適度なスペースに 居心地のために
年季ある洒落た明かり、二人向き合うのには充分な 質の良いソファ、、

ソンミンだって胸が高鳴って、喉をごくりといわしたはずだ。



ドアの開け閉めが レースのカーテンを揺らした時


まだ愛しい王子様はやって来なくて


可愛いあの後輩たちが企んだのだろうか
シャンパングラスと キャンドルが備えられていて、

誂えの良いソファに身を預けて待つ
それだけで とろり、甘い気持ちになった。









その夜、いちばん幸せなのは イ・ソンミンに違いなかった。








次の日、食堂ではキム・リョウクを始めとした お喋り仲間たちによる尋問が開かれていた。


どうだったの?と、
おしゃれや噂話が大好きな級友たちが 彼を囲んで

大人しいソンミンは
頬っぺたを赤くして、こくん とひとつ頷いた。


それって?!
知らない!と両手で顔を覆うと
周囲は 思い思い想像をして、はしゃぎ合っていた。

それで、それで
と せがむのに


実際のところ、ソンミンはちゃんと覚えていなかった。


後ろから強く抱きすくめられた瞬間
無我夢中になって、
普段の彼にないくらい 大胆になっていて


服を脱いだのは覚えてる、キスをせがんだのも覚えてる、、


感情を表に出さない分の
内面の強情さと激情が
昨夜はついに爆発してしまったようだ。
アルコールだけとは思えない 酔いに後押しされて 随分といやらしくなってしまったものだから
ユノは呆れてしまったのかもしれない
起きた時には 先にいなくて、

それでも 毛布をかけてもらった感触と
こめかみに 柔らかい温度を 何となく覚えているので

その夜のことは、独りよがりでも 夢でも無かった。


女の子のような役割の生徒たちに
報告は
蕩けたソンミンの表情だけで充分で
釘を刺されたにも関わらず
話は簡単に全校へ広がっていった。何せ

校内きってのベストカップルの その成就は
ビッグニュースだったのだから。


大人たちが笑うような、
かりそめの恋愛ごっこはそこには無かった、と ある生徒は自信を持ち、



まるで見てきたかのように話す生徒は、

月の光に照らされる、ソンミンの背中の曲線と揺らめく腰つきは それはそれは艶かしく、美しかった(に違いない)とうっとりしていた。


とにかく、生徒のほとんどがその話題に盛り上がって
それを本人たちが知る頃には








2人は契約を解消したんだって。







随分と酷いことも言われたかもしれない。

何よりも大切にしていた筈のソンミンに
強く怒鳴っていたのを見たという生徒も何人かいたから。
そんなユノを見たのは、誰もそれが初めてのことだった。




大好きなユノに捨てられて傷心のソンミンを更に惨めにさせたのは



チャンミンが

まっさらな赤いチーフを胸ポケットに突っ込んでたっていうこと。


うっかり イニシャルが覗きそうな時には
わざとらしく指で押し込んでやる までが
一連のパフォーマンスになっていた。

実際、失望するユノを宥めたのはチャンミンで


今までソンミンがいた場所にチャンミンが代わっていて
ソンミンにしてきたようなことは全て チャンミンがされていた。



強く言ってやれないソンミンは
泣きそうな顔で下唇を噛んで

仲睦まじい二人を眺めていた。


あまりの事に
生徒たちも 自分の事のように悲しんだ。



すっかり元気を無くしてしまって
よく食べることも出来なくなってしまった、


そのソンミンを励まし続けたのは
チョ・ギュヒョンだった。


キュヒョンは、
チャンミンを応援しながら
ほんとうは ずっとソンミンを気にしていた。
ひとりになった彼のそばにずっと寄り添い続けて


やっと笑顔を取り戻した。


そして あまり無いことだけれど
下級生の青いチーフが
ソンミンの胸ポケットに 贈られたんだった。



生徒たちは もちろんびっくりしたけれど
皆 現金なことに
新しい お似合いの2組と
やっと笑ったソンミンが 嬉しかった。

そして、今度はまた
ソンミンがキュヒョンのものになって
また さらに綺麗になることを期待していた。



いよいよ終業式
ほとんどの生徒が一旦実家へ帰る時期
しばしの別れを惜しんで
ソンミンはキュヒョンを自分の部屋へ招待した。


つい この間まで傷ついていた分
この 引き上げてくれた彼がよっぽど愛しくて、




初めてではないけれど、
そう言って

ソンミンは大切なものを贈って

キュヒョンはそれを
大切に、大切に受け取った。


それは、いつかと同じく甘くて深い夜で




でも、そんな夜を 本当は迎えない方が良かった。









結局、その日以来
ソンミンはキュヒョンに応えることは無くなって



ますます塞ぎ込んで
やっぱり 笑わなくなってしまい




最終学年の新学期を待たずに
転校していった。


何があったのか 誰にも分からない。
ただ、春になっても またあの可愛い子に会えないことを 皆が皆 惜しんでいた。



たった3年間の、その閉ざされた狭い世界でのことに
真剣になりすぎたのかもしれない。
何にだって熱心になる 真面目な子、だったから。













「へえ、それが『イ・ソンミンの悲劇』の真相だって?」


校医は 呆れたように笑って
コーヒーカップを口許へ持っていった。


「それじゃ、幼い恋を失ったから、じゃ なかったって言うの?」


数学教師は細長い指で 唇を押し潰して
吹き出しそうになるのを堪えていた。

ように、装った。



放課後

指導教諭への報告を終えて、職員室を出ようとするシウォンを

若い教師が 自分の机から、同僚との雑談に誘った。
今朝の雄弁を讃えた後
その決定への理由を、話題として求めたので
自らの決心を後押しした ひとつの見解を披露した。



「繊細なイ・ソンミンなら2つも恋を失って、というのもあり得ることですが、や そんな単純だったでしょうか、ソンミンという子は。」

数学教師は ちろりと、その生徒を見遣った。


「驚いたな。現実家だと思っていた君に、そういう空想趣味があっただなんて。」


言いつつも、

明らかに虚ろになる目が 見つけられないでいるので、
書物の下敷きになっている砂糖を代わりに拾ってやって
封を切って カップへ傾けると、
校医は 神経質そうに遮った。
他人に、何か 入れられるのは嫌いらしい。


「、しかし、割りと悪趣味じゃないか。何も今になって、それを持ち出すなんて。」

数学教師も いつも青白い顔色をさらに悪くしている。
確かに、シウォンからすると もうずっと昔の伝説みたいなものだ。
けれど もしその憶測が合っているのなら


「学園のアイドルの失恋ではなく、ある模範生が謀られて順調な学生生活を追われた。となると
私も黙ってはいられませんので。」


「、君さえ気付かなければ、、そのまま 『かわいそうなイ・ソンミン』は噂話のままでいられたかもよ、」

「気付かなければ、とは。やはり、正解で?」

ビンゴ!
生徒会長はわざと子供ったらしくはしゃいで見せて


校医は思わず同僚を、学生時代にしたかのように肘で突いた。
そして、観念したように 目を閉じて息を吐き


「シウォナ、君にとってはくだらないことかも分からない。
けれど、あの頃の僕ら…年代には
強く誰かに没頭し、何か、一つのことに思い詰めることがあるんだ。
どうにかするためにどんな手段も選ばない、、後も先も無い。その時が大事なんだよ。子供だったんだ。」


「純粋なソンミン氏の『その時』を奪ったとしても?

些細なことに真剣になれる時間も。場所も。
その『先』の選択肢のいくつかをも?」

私なら 堪えられない。

今まさにその年代である彼は
身震いをした。


「っ気付かなかったんだ。自分の想いを叶えるのが先決で、」


「言葉で、伝えようとはなさらなかったんですか。情に厚い“彼ら”であれば真っ当に聞いてくれたでしょうに。」

「だって、伝える前から拒まれているようなものだろう。目の前でちらつかされて、
お前なんか入る隙が無いと端から突き付けられてみろ、どうかして欲しいと思って何が悪い。
そういう時にお前の、一番欲しいものが手に入る なんて誘われたら、、乗るだろう」

「ですから、契約だなんて形を取ってしまうものだから それを守ることと壊すことに躍起になって
相手の気持ちなんか考えなくなってしまう
却って協調関係の形成の邪魔になってしまう、と私は思うのです。
そしてまた『かわいそうな…

「さっきからの それを止めてくれないか、彼を形容することを。君が ソンミニヒョンの何を知って…


チョ・ギュヒョン先生!
シム・チャンミン校医の強い囁きが 数学教師の興奮を止めた。
まるで叱られた子供のように怯えていて
ここまで 大人、であるはずの彼が動揺するとは予想外だった。もうそろそろ、他の教師たちがこちらに気付き始めている。

「悪かった、僕が自分の欲望のためにお前を巻き込んだ。」
「いや、あれは僕が甘いからいけなかったんだ。でも例えばもし 今誘われていても、僕は断れる自信は無いね。」

堅物の君には分からないだろう。


いつもする、
問題を解けない教え子に向けたような皮肉な笑顔は
探偵気取りの彼か、自らに対してかは 分からない。

「、そうとも言い切れませんよ、」

丁度のタイミングで
廊下から 可愛らしい声が、シウォン先輩と呼びかける。


「けれど私は
結ばれるべきものなら、契約なんてせずとも 結ばれると思いますので。」


ねえ 君、

縋るくらいの様子で教師は、キュヒョンは聞いた。


「…君は、ソンミニヒョンのことを?」

「残念ですが よくは知らないのです。今、どうしているのかも。」


「…そう、残念だ。

僕の 青春の全てだったから。」



一礼して去る振り向きざまに
ところで、と

「ユノ先輩とは?」

「、そんなのは とっくに。卒業すれば、すぐだった。」


夢から、醒めたんだ。と
チャンミンは言った。









お待たせ、
とシウォンは職員室を出て、
後輩は顔を覗き上げた。


「それで、合っていました?先輩の推理。」

「ああ、おそらくはね。我ながら 明晰な頭脳が怖いよ。」

「僕の伝えた 状況と証言の詳しさも評価して欲しいなあ。」

「いやいやもちろん。感謝してる。

これで、数多のポケットチーフを断る手間も省けるよ。」


「まったく。権限の濫用はやめていただけます?
言っときますけど、これじゃ 僕に 贈ることもできないんですよ?」

「それなら大丈夫。」

生徒会長は片眉を上げて笑い、目の前の

ふくれっ面で尖った唇が ちゅ、と鳴る。

「こういう風にすればいいんだ。」

ちょっと 先輩?!






なんて、嘘。
自分の理由なんかじゃなく

シウォン先輩は僕のためならば何だってしてくれる。



実際ほら、ヒントを差し出せば みんな見事に繋ぎあわせてくれた。
つまり

彼らが どうやって『可愛いソンミン』を『かわいそうなソンミン』にしたか。



ついぞ本人への謝罪は無かったとシウォンは言った。
もっと上の大人たちに報告できる 物の証拠が無い、とも。


本当はちゃんと痛め付けてやりたかったよ。
それでも いつもの強気は隠れて、随分と小さく見えたって。
思うところはあったんだろうね。覆っているものが剥がされて
その傷はもう、乾きっこないさ。ずうっとじくじく痛んでいればいいんだ。


何より
やり返すことなんて 慈悲深いソンミン自身が 望まない。


そう、そんな心優しい彼に
何てことをしてくれたんだろう。







彼が、間違えた としか表現しなかった夜のことを
僕はどうしても知っておきたかった。
何を間違えて、どうして気付いてしまったのかを。



可怪しいと思ったんだ。
慎重なソンミンなら絶対にお酒なんて口にしなかった。まして 我を忘れるくらい酔うなんて。
ただ それと知らずにか、信用した相手に 勧められたとしたら

義理堅く お人好しの彼は受け取ったかも知れない。
そういう時に 味を疑うなんて思いもよらないだろうな。


そこまでの信頼をもらっといて
それ以上彼から、何を奪うことがあったんだ。



契約さえなけりゃ、


そもそも本当はソンミンには契約なんて要らなかった。

律儀過ぎる自分が
それを守ることの方に拘ってしまうことも、
臆病過ぎる自分が
煽られて浮かされてしまうのも 知ってたから。



2つ 失恋をしただけならまだ 良かった

体と心が傷つくだけならまだ、


契約さえなけりゃ、、


貞淑で潔癖なソンミンが
不貞で不潔だと 自分を憎む必要なんて無かったのに。




あんなに明るかったソンミンが
暗く鬱ぐなんて
どうして あり得ると思う?


だから、彼らも

笑わないで欲しいだけ。






「 どうした?」

黙りこむ僕に、シウォンは心配そうに
目の前で手をひらつかせた。


「あ、いや

契約なんて無くても 結ばれるものは結ばれるのに、って思って。」


これでも僕は、
他に渡したくないくらいに
この彼を想っている自信はある。



「、君 まさかあれを 聞いてた?」

「何がです?」

「いや、僕も同じことを思ってたってこと…。

そうだ、今度の休暇の話をしよう。外泊届は出したかい?」

「まだ。少し気が早くありません?」

「早いものか。君の地元を案内してくれる約束だろう。
ご家族にも、紹介してもらえる?」






「うふふ、もちろん。…兄もきっと 喜びますよ。」











〈〇〇な、あの子 について〉


  
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~ Comment ~

うわぁ(´∇`)

すーごいすーごい

ミステリーみたいで、でもわかりやすくて……!

”彼等にも笑わないで欲しいだけ……”


罰をうけてますよね……

ソンミンが笑わなくなった事、転校した事……


愛していたのに、それを伝える術を間違ってしまった……

ユノはやりきれなかったでしょうけど、

ソンミンの絶望感もはかり知れませんね……

騙されて無理矢理……の方がむしろいいかも、と思ってしまう様な計画性にとんだ略奪愛でした……

二人とも、はかない略奪愛でしたね……


”お兄さん”もしや(´∇`)

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解答。

さっすがまひろさん、鋭いなああ(。>д<)

へーと、非公開のを公開する方法も、まひろさんだけに送っていいのかも分からないので そのまま…


元々ユノの名前でメモを渡されて、っていう流れで書いていた名残なのでドンヒはユノに呼ばれたと思ってます。
ドンヒは健全な生徒ですけどソンミンの味方なので
とっとと行ってこいや、って感じで送り出してます。


ユノもソンミンも清い子なので自分からは語りません。でもソンミンがユノだと思っていて、いっこ頷けば チューだのエッチだのに過敏な年代の子たちから噂は広がります。で、ユノ的には 心当りねぇし!誰とした、淫乱!!ってなっちゃう訳です。


2人の計略はまんまと成功しちゃった訳なので、ユノは知りません。ばれちゃったらチャンミン嫌われちゃうので。ソンミンはユノを裏切ったことに深く傷ついて去るので 言い逃れはしてないと思います。
なので、すみません。ユノではなく、まんま弟ジンギの仇討ち、でございました。(わたしの李三兄弟は ミンオンテムなのです。。。



ってな答えで良いでしょうか?
しかし、そうなのですね。ユノという考え方も出来ますね。しかもちょっとそっちのが面白い!
じゃあそっちでΣ(ノд<)

わぁ(^^)

解答が出てる!

センター試験か!!(笑)


しかも私98点くらいじゃないですか~嬉しい!

さすが すももさんファンなだけあります……自画自賛(笑)


前のお話のちょっと狂愛じみたお義父様のお話の解答が欲しい!


どう考えても母子との接点がわからないし……うーん( ノД`)…


私もまだまだでした(泣)

すっきり

解答ありがとうございます。

ふむふむ。なるほど、です。

本当は、読み手があれこれ想像を膨らます…という方がいいのでしょうが、「答えあわせは、要りますか?」ってあったので遠慮なく(笑)

……ええ、そういう意味じゃないですよね。

でも、書き手の方の思いも知りたいなあって思いまして。
なんだか嬉しかったです。

>>わたしの李三兄弟は ミンオンテムなのです。。。

……これは、申し訳なかったです。SHINeeさん達の知識不足でしたね、私。

他のお話もゆっくり読ませていただきます。

ではでは。

Re: ともさん、

すっごい=3まひろさんと同じタイミングでコメ来てる(^^)一緒にいるの??

98点でしたか。さすが!

わたし 察してちゃんなのでね、ほんと必要なことまで書かないので、すみません。そのくせ聞かれたらぺらぺら喋りますけどね。
けど、残念ながら
『サヨナラの~』に答えは無いんです(>.<)
死人に口無し、ですよ~

Re: まひろさん

コメありがとうございます。

『答えあわせは、要りますか?』←いえ、そういう意味です(^^)

もともとミンくんが転校したとこで終わらせるつもりで、もっと訳分からなかったと思うので、いろいろ付け足し過ぎちゃいました。

「書き手の~」って言って下さってうれしいです。
わたしも遊びに行きますんで またお話ししましょう♪

解答ナシかぁ( ノД`)…


今ね Ifを読み返してました~

自分で書いたコメント恥ずかしい(笑)

ミンペンだから感情が昂っちゃってさー(泣)

ウルウルしながら……

ジョンウンあたりと

やっぱりキュヒョンだよね~(>_<)泣くよね~(>_<)

続きを、楽しみにしてます(^^)

Re: ともさん

わたしも ともさんとこのウォンミン読み返そうと思ったら、スマホが重くてねぇ…もっかい挑戦します~


if…ififif…
わたし最近、上げられたハードルをくぐることを覚えましたの(-.-)

うはは

ハードルをくぐる?

すももさん全然飛んでるし(^◇^)

毎回は?え?うそ?みたいな感じで(^^)

ifなんか視点がすごいし!

独白もうけるし

ずーっと、シウォンとどうなるんだろう、とか

いつか記憶取り戻すのかな、とか

何でシウォンだったんだろう、とか(笑)

悶々としてるんだから(笑)
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