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なにかのつづき

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あの人の

命が とうとう尽きた、と

風の噂が言った。





なんでも
例の、食糧調達にかこつけて 原生種の駆逐を目論む同胞どもに 喧嘩を売ったという、、


もう、思い出すことさえ無くなった 過去の誰かと思っていたが、


ああ ようやく

、と
そういう感情はまだあったようだ。









『もう、生きるのに飽きたんだ。』


切り出されたのは、朝食ならぬ 目覚めてすぐの食卓だったか、
申し訳なく笑うんで

それじゃあ、

どうして初めに その手を差し出したのか
、とは 責めることさえ出来なかった。



そして今 もう永久に 叶わない。




共に暮らしたのは
人間の一生2つ分に満たないほどの
永遠の中では ほとんど休憩時間くらいの短さで
それでも 確かにそこにあったものを、彼はあっさりと手離して去っていった。



残されたのは、朽ちない体と、、





―…





「せーんせ、せんせ ったら」


隣から呼び立てられ
白い裸体が するりと、寄り添った。


ほっそりとした身体中に散る 幾つもの点は、栄養摂取のあとの痕。
ベッドの上での考えごとだったと思い出す。

熱持った腕を絡ませるのは、近頃彼が傍に置いている見た目の美しい若い男で このところの彼の主食
、で 共に生きる人。

つまり 同種。


「先生ったら 難しいかおでどうしたんです。」


仔猫の瞳が、覗きこむ。
その呼称は、桁違いに 歳を重ね人生経験を踏まえた相手に対する 彼なりの敬意に違いないが、
敬意を払う割に嫌ほど密接するのをやんわりと払うと、



「済んだなら服を着なさい。シーツに血なんて付けるなよ、掃除婦がうるさいから。」

ただでさえ 美少年飼いの主に呆れ果てているというのに。

事後の冷たさに
「あんなにしといて、」

不平を溢すので、


せがまれるままにしてやったのに

(食欲と 性欲の区別もつかない小僧が、)


胸のうちで悪態をつく。


この若者は、こちらの申し出に二もなく頷いた、
待っていたかのように まるで
こちらが頭を下げて高価な依頼を委ねたかのように 平然と。


自分は決して、血の甘さも 背徳的な行為も興味があったのじゃない。

差し出された時、
ただ 幼さの残る、いや 失せることのないあどけなさの中で
艶やかに

『一緒に生きて。』
ということに、ただ 受け取りたくなっただけだった。



それじゃあ、
どうして道連れにした。

それなのに、
どうして連れ立ってはくれなかった。


『生きるのに 飽きた。』


そもそもの始まりである 白いそれを
遠慮がちな唇の隙間から覗かせて、、





「何か 考えごと?」

「何も、少し 昔のことをね。」

「それにしては、随分 苦しそうな顔をしているよ。」

眉間に伸びる細い指をふい、とかわす。
感傷を邪魔されるのは好きじゃあない。




「俺くらいに歳を取るとね、昔を思い起こすにもいくらか 労力がいるんだよ、」



そう、随分と歳を取った。
何が先で 後だったのか、何が重要で 些細であったか
思い返しても、最近では 順序よく やってこないので困る。
確かめあう話し相手などはじめから、無い。





幾つの時に、老いるのを止めて
それからどれ程たったのか
数える難しさに、それを知れる。
見た目なんて もう、変わることはない。

あの人の 随分とした童顔には 驚愕したも
のだ、
遥か年下のまま、狭まることも許されなかった年齢差は
こんなに時間を経て、ようやく再度、、近づくことを始めた。。





「過去なんて、くだらなぁい。」

無邪気に 故に無神経に、隣で赤子同然の姿が洩らす。

「なに?」

小鹿のような肢体がううん、と伸びて、
横目に、
翳らない美しさも 3日で慣れると考えながら



「いい?過去は 永遠だよ。
僕らに終わりがないのだから、過去こそ延々と増えてくの。ほっといてもさ。同じ形のまま 積んでくわけ。

済んだことにいちいち縋ったってキリ無いや。」



過去こそ、永遠。


子供のくせに
言い得て妙なことを、


「ほら、言ううちに“今”も過去になってくよ。こんなに思いきり悪く過ごすから 後にいつまでも惜しむ羽目になんのさ。

僕は ごめんだなあ、そうやって どうなりようもないことに囚われてんの。」


だったら 今楽しまないと。

つい最近、この手を取ったように 汚れる前の瞳をぎらりとさせて笑った。



なるほど、ね。


増えてくいっぽうの過去に、この思いも、あの人も 解けない疑問も、
紛れてゆく。




深傷を負っても彼は
傍らに“人間”を庇っていたという、
若くて 生き生きとした 人間 を。


その血を吸い上げたとしたら 生はまた延々と続いたかもしれないのに。
何故、そうしなかったのだ。
今度は、そうしなかった というのだ。


良い、死に場所を得たから、だろうか。


『死ぬのが、怖かったから。』

そう生きていた彼は。




そう きっとそれを待っていた。
手を加えようもないことが、増えるしかない過去に紛れて 見えなくなることを。

そう つまりはまだ 終われそうもない。




どっ、と突かれてシーツに背中は受けとめられた。
しゅるりとタイが解かれて 細い指は 嬉々としてボタンを摘む。

「こ ら、やめなさい。」

「だめだめ、僕はまだ だもの。」


くすくすと笑いながら、着々と食事の支度は整ってゆく。
やれやれ、若いな。
食欲も関心も旺盛な訳だ。しかし 仕方がない
引き込んだ責任は取ってやらねば。
私は、ね。



「シーツにだけは溢すなよ。」


いた だき まあす

赤い口が ぽかりと開放されて
陶器のように白い牙が

つぷ と肌を刺して、痛みはない。




これはもう、食欲を満たすための行為
もしくは繁殖のために、すら なり得る
生きるため、と生きている と知るための



特に 喜びも快感もない。ありふれた動作だ。





はじめての時はどうだったか、とっくに忘れてしまった。









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