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superjunior

『キレイだ』

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「じゃあ…行くよ。」


玄関に勢揃いした住人たちに向かって
旅立つ兄弟は片手を挙げて、微笑みかけた。



「まぁ、明日も朝から仕事で一緒だけどな。」

長兄イトゥクは無粋なことを言って笑うが、
本当は自分が泣いてしまいそうだったからに違いない。




長い年月を一つ屋根の下で共に過ごしたのだから、寂しいのは当たり前で。
けれどそれは幸せな旅立ちで、


誰もが彼を喜んで見送ろうとした。





ただ一人を除いては



「ソンミナ」


ぼんやりと見送りの光景を眺めていたソンミンに、旅立ちの当人が呼び掛けた。


「ん」

「みんなのこと、よろしくな。」

「ん、分かってる。」

「だよな、さすが中間管理職。」


同い年の兄弟の言葉に
ふわりといつもの笑顔で応えたつもり。



本当は仏頂面を贈ってやりたかったんだ。




バタン、と閉じたドアを合図に

柄じゃないと気付いたメンバーたちは
つい今までの寂しさを振り払って、明るく振舞った。


「いいなーーードンヒ兄さん。結婚かぁあーーー」

「ばっか。結婚はまだだろ。婚約だ。婚約。」


「ほんと、仕事でいつでも会えるのに寂しくなりますね。」


そんな言葉を後ろに聞きながら
ソンミンは誰よりも早く自室へと駆け込んだ。








ぼふんっ!とベッドに落ちて、じっと固まった。



―行っちゃった。


(行かないで)


何度も出そうになったそれを
どうにか堪えたのは勇気がなかっただけ。

でも、それで良かったんだと思う。







「ミニヒョン。」


末の弟の声が降りてくる。


少し間を置いてから体を持ち上げる。

精いっぱいごまかしたつもりでも、きっと目は潤んでいるし、鼻は赤らんでいるんだろう。

珍しく、この弟は兄をからかったりしなかった。


「ヒョン。大丈夫?」


そうして片手に持った湯気たつカップを

「ん。ありがと。」

「…。」

ズズ…

「…。」


もちろん自分が口にする訳で。


「ヒョンは、ドンヒヒョンのどこが良かったの。」


大げさな程に甘く優しい声で問われた。


「キレイなところ。」










ぐふっ

キュヒョンは啜ったコーヒーを違うところに吸い込んでむせた。




「誰が。」


「ドンヒ。」


「どこが。」



「 キュヒョナ、あんた事故ったときに美醜感覚が代わりに死んだんじゃない?」


「あんたって…」



シンドンの人を幸せにする笑顔を思った。辛いことなんてみぃんな忘れてしまう、そんな誰よりキラキラして瑞々しい笑顔。

彼のほうがいくら辛い思いをしてるか分からない。それなのにいつも誰よりも笑って、
暖かく包み込んで…


(何度僕を引き上げてくれた?)



初めて会ったその時から


その存在の美しさに


―僕は惹かれ尽くした。



(分からないなら、いいけど。)



知らない間に顔をぐしゃぐしゃにしていた涙と鼻水は


キュヒョンが不器用に拭ってくれた。









「あ、キュヒョナ、今度手術するときは眼球も一緒に治してもらいなよ。」


「しねぇよ。」








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