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superjunior

Traum

 ←お姉さんはとてもキレイ。 →SとNではなくMとO
  









彼は絵を教えている。



それなりに名の通った芸術の大学を出て
当然として画家を目指すも

志は折れて

今では町の小さな美術教室の講師をしている。


一度は習った技術を商業のために使ってみたけれど、
たとえ名のない小さな場所でも自分にはこちらの方が合っていると
いくらかは納得して暮らしていた。


絵は捨てられなかった。





そんなときある人と出会った。





名前はソンミン

初めて教室を訪れた時、

彼の描いた絵の数々を見て
瞳を輝かせ、頬を染めて

大変に感動してくれた。





彼にとってはそんなこと本当に久しぶりだったから、
それはそれは嬉しかった。




ソンミンはとても不思議な人で、

彼よりも年上のように物静かで落ち着いて話す時もあれば、
まるで幼い子のように無邪気に振る舞う時もあった

あらゆる画材を、筆や絵の具さえも初めて見たもののように扱う。



彼が教えるいろいろなことをきれいに飲み込んで
そのとおりに線や色を描くことができると
まるで奇術を見せられたかのように表情を踊らせた。



こんなに絵を楽しむ人は初めてかもしれない。
教室の隣に貸してもらった作業部屋に招き入れ、講習のない日にも個人授業を行った。


ソンミンはとても幸せそうで、
彼自身も大好きな時間だった。




ソンミンは彼の作品を称賛した。
絵のことは何も知らない、だからこそお世辞も打算もなく褒めてくれるのが嬉しかった。
世界にはもっと素晴らしい芸術があるとどんな画集を示しても

僕は君の絵がいいんだ。と応えた。



二人きりの親密な講習の甲斐あってか、
ソンミンの絵はみるみるうちに上達していった。
これなら品評会にも出せる、と言えば

どうして、と首をかしげて
僕は君と描くのがいいのさ、と笑った。


彼は嬉しくて、くすぐったくて堪らなかった。
作業部屋には彼とソンミンの愛のかたまりが増えていった。






けれどやがて
その、愛のかたまり、
ソンミンの作品であまり広くない部屋が満たされるにつれて、

彼は苦しくなっていった。




うますぎる
のである。



ソンミンの才能の成長は著しく、


二人が並んで
同じ対象を同じ構図で描いたとしても

もう比べ物にならなかった。


かつて徹底して学んだ人にこそ分かる技術の高さと、
芸術に明るくない誰だって惹かれる魅力



まるで本物を超えるようだった。


自分がどんなにしても届かなかった域へ
易々とたどり着いてしまったソンミン。


もう、一緒には描けないと思った。



高等な教育を受けた
専門家としての的確な判断として
または
夢破れた画家志望者のプライドを守るため


ソンミンを手放すことに決めた。



別れは、丁寧にけれどはっきりと本人に告げた。

はじめ何を言われたのか理解できない様子のソンミンがいやだいやだと首を振ったのを


君のためだ、と宥めた。

もちろん嘘ではない、半分は。



僕は、君の隣で描いていたいだけなのに



そういうとソンミンの顔からはその愛らしさは消え、

狂気の顔になった。



どうして、どうして、どうしてさ



高い声を挙げながら
あり得ない力で彼を突き飛ばすと、倒れた彼の脚を思い切り踏みつけた。


「ぅあっ?!」


痛みに驚きながら後退ると
さらに襲いかかる

自分の作品さえなぎ倒して
迫ってくるのだった。


ああ、後に大きな財産になるかも知れないのに
一瞬思い浮かんだが、あっさりと消えた。



彼の中にはもう恐怖と嫌悪しかなかった。


ソンミンに惹かれていたのは
自分の絵を絶対に讃えてくれるからと、
何も知らない可愛らしい生徒の、そのささやかな、と思われた才能を自分が育ててやっているという優越感だけだったと
気づいたから




壁際まで追いつめられた彼に
ソンミンはいつものように無邪気な笑顔を浮かべ、歌うように言った

「いいものあーった」


ソンミンがいつも背負っている鞄から
見たこともないくらい大きな刃物がぞろりと抜かれ、
ギラリと光らせたまま大きく振りかざすと、、、


「っ?!やめ…っ――」












「…ョナ、キュヒョナ…!」



叫び声の代わりに意識がこじ開けられると、
そこは慣れ親しんだ自分の部屋で


(…夢)


思わず苦笑いのキュヒョンに同居人が心配の声をかける。


「だいぶうなされていたけど、どうしたの?」


夢の中の脅威と同じ顔をしたその人にびくり、とするも
それとは程遠い穏やかな表情でこちらを覗き込んでいる。
安心して、ベッドの脇に膝立ちする彼の柔らかい腹に頭を預けた。


「何でもない。ちょっと恐い夢見て…
変な夢なんだ、僕がヒョンに絵を教えていて……!」


何よそれ、と呆れながら優しく頭を撫でてくれる。


(気のせいだよな……)



自分の髪に甘く触れるのと反対の手は背後にしまわれていて



そこから覗く金属の鋭い光からは目を逸らした。




…たとえばリンゴ、
そうだ、きっと朝食の支度をしていて、
この部屋を出れば自分のための幸せな食卓が用意されているはず


それが、
この甘い兄との甘い生活なのだ、と





彼が自分の歌声を褒めるのも
自分が彼に惹かれるのも



きっと思惑なんか無い、、

いや絶対無いんだ


と、頭の中で説いて聞かせた。



キュヒョナ、と呼びかけるソンミンの笑顔は夢の終わりとだぶって見えて―



キュヒョンは詰まった息を整えるために
固く目を閉じた。


次に開けた時には
恐怖もすっかり醒めていることを期待しながら。







―そんな、夢をみた―






  
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